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生ける化け猫    by渡辺

muku.jpg
(右の大きい方)

名前:ワタナベ ムク
性別:♂
年齢:16歳
性格:暴君

初めて渡辺家に来たのは16年前。

渡辺が自然冒険クラブに所属していた小学3年生の6月。

当時よく遊んでいた友達に誘われて「みんなで猫を飼おう」

と知人の家に猫をもらいにいったのが初めての出会いだ。

「みんなで…」という約束はその日に破棄され
結局渡辺家が引き取る事に。

以降16年という長い年月を大きな病気1つせずに

のびのび暮らしている生ける化け猫だ。

16年も一緒に暮らしていると鳴き声1つで何が言いたいかは分かる。

「ニャー(お腹すいた)」

「ニャー(トイレが汚い)」

「ニャー(お腹すいた)」

「ニャー(そこをどけ)」

「ニャー(お腹すいた)」

「ニャー(道をあけろ)」

「ニャー(お腹すいた)」

大抵はお腹がすいただろうと解釈している。

渡辺家は時々こいつが猫だと思えない時があるが、

こいつは生まれてこのかた自分のことを猫だと思ったことはないだろう。


ケンカはほぼ毎日する。

ケンカのきっかけはほとんど寝床の奪い合いだ。

犬ならきっと「ご主人様」と言わんばかりに床か小屋で寝るのだろうが、

こいつは違う。

渡辺がクタクタになって帰ってきても

「お帰りなさいませご主人様」と尻尾を振ってお出迎えをする

なんてできた子じゃない。

帰ってきても飯を食っているか、ベッドの中にいるかだ。

さあ寝ようと布団に入ろうと毛布をあけるとこいつがいる。

愛くるしい猫背で丸まって……

ではなく仰向けにひっくり返り背筋を伸ばしてバンザイポーズだ。

「お前は猫だろってか起きろよ!」

とツッコミをする気すらなくなるポーズだ。

そのポーズのことには触れず寝ている隙にベッドから下ろす。

さすがにそんな事をされれば「獣としては黙っていられない」

カーン♪

戦いのゴングは鳴らされた。

とすぐさまベッドに飛び乗りボディーアタック(δΦωΦ)δ

「げふっ」とくる重量感。

布団にヤツが乗ってきたそのまま布団の下からポーンと投げ飛ばす。

そこはヤツもまだまだ現役の猫。

ひらりと身を翻しキレイに着地。

舞台をリビングに移しバトル再開。

ヤツの必殺技は「音速猫フック」と「猫なのにラッコキック」

特に凶悪なのが「猫なのにラッコキック」だ。

両手でしっかり捕まれアタタタタタタタタタッて鳴きながらキックを浴びせられる。

この攻撃で何度手が血だらけになったことか…。

ヤツは攻撃する前にお尻をフリフリしてから飛びついてくる。

しかしお前はその弱点(猫の習性)に気が付いていないのだ!

フリフリしたら攻撃の合図…

飛びついてきたところを渡辺は得意の

「カウンターキャッチ&スロー」で応戦。

「カウンター平手打ち」で打ち落とす事も可能だが、

幼い頃にそれをやって1ヶ月口をきいてくれなかったことがある。

のでそれ以降応戦はキャッチ&スローに。

だがこの攻め方はヤツの体力がなくなるまで(飽きる)まで続く。

持久戦だ。

心と心の削り合いだ。

ヤツがふっと、攻撃を止めぺろぺろと体を舐め始めたら終了の合図だ。

高ぶった気持ちを抑える毛づくろいをしている。

渡辺もヤツも息を整えベッドに戻る。

そして二人仲良く夢の中へ…。

時間は夜中の4時。

お願い寝かせて…。

オヤスミまた明日。


次回予告 「ノイローゼ猫チビ」 (左の小さい方)