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誰も信じてくれないが・・・By.飯島

いや、本当なんですよ。

昔、浦安で働いていた時期がありました。

帰り道、駅前を通りかかった時、かなり前方からスーツを着た着ぐるみが歩いてきたのです。

何かの仮装か罰ゲームか・・・?

初めの印象はそんなモノでした。

どんな風貌だったかと言えば、中華街に売っているような人形ってあるじゃないですか?

あんなイメージです。

よく遊園地にいるような着ぐるみと同じ体比率。

ただ奇妙だったのはスーツを着ている事だけです。

何か気になった僕は吸い寄せられるようにその着ぐるみに近づいていきました。

そして、近づく程に感じる違和感。

手が届く程の距離に近づいた時にその違和感の正体にやっと気付きました。

その顔は着ぐるみなどでは無く、普通の人間の顔だったのです。

肩幅と同じ顔の大きさ。

みなさんがイメージするより、その衝撃は深く、奇妙なモノでした。

いつもとまるで変わらない風景の中で、ふいに出会った非現実でした・・・。


そして、さらに昔。

近所を歩いていた僕は小さな女の子に呼び止められました。

歳のころなら5~6歳。

僕が生まれる前からあった、古ぼけたマンションを指さし、その子はこう言いました。


「あのマンションの4階、一番奥の部屋があたしの家なの。あそこまで連れていって」と。


なんだろう?おかあさんとはぐれちゃったのかな?

そんな程度にしか考えなかった僕はその女の子の言うとおりに、

そのマンションの一室に向かいました。

「連れていって」と言うわりに、その子は僕の3歩先くらいを早足で歩きだしました。

あわてて付いていく僕。

エレベーターに乗り、止まった階は3階。

そのマンションの最上階のようでした。

・・・あれ、3階?

まあ、小さい子だし、何か間違えてるのかな・・?

その子は僕の困惑などお構いなしにどんどんと階の奥へと進んでいきます。

付いていく僕。

しばらく歩いて、程なく最上階の一番奥の部屋で女の子は立ち止まりました。

まるで生命が途切れてしまったかのように、ぴたりと。

怪訝に思った僕がその子に近づき、一声かけようとした、その瞬間。

「あたしの家が無いぃぃぃぃっ!!!!!」

と、泣き叫びながら、その子は僕に飛びかかってきました。

これまでの人生で見たことが無い表情。

ほんの一瞬でしたが、その歪んだ表情は今でも忘れる事が出来ません。

本能で恐怖を感じた僕は、後ろを振り向く事も無く、無我夢中で逃げました。

・・・・もしかしたら、他愛の無い見間違いや勘違いだった可能性もあります。

が、あのなんとも言えない違和感は今でも拭い去る事が出来ず、

僕の脳裏にこびりついているのでした。


非現実なこの話、信じてくれますか?